僕の名前は底野灯都。
漢字だけ見たらカッコいい名前だけど、ひらがなにすると『そこのひと』になる。
なんて酷い名前だ!
これじゃあ、モブキャラみたいじゃないか!
実際、平凡だから文句は言えない……。
そんな僕だけど、一つだけ大きな秘密を知っている。
――ここは少女漫画の世界だ。
どうして、そう思うかって?
それは僕には前世の記憶があるからだ。
そして、この世界で自分の役割がモブだってことも理解している。
だから主人公たちの邪魔をせず平穏に過ごしていくよ。
と言いつつも、なんやかんや彼らに関わってしまい――。
これは無自覚に漫画キャラたちの心を救い、いつの間にか皆に好かれているモブのお話。
レビュー