男色家と噂されている婚約者様のツン具合が、私の幼馴染と似ていたので。

リリーシュ・アンテヴェルディ公爵令嬢は、ほんわかとした女性だった。公爵令嬢という華やかな生活にはさほど興味はなく、ただ家族で慎ましかに幸せに生活できればそれで十分だと思っていた。
両親は彼女とは正反対の浪費家で派手好き。けれど家族仲は悪くない。リリーシュは、父のことも母のことも愛していたのだ。
そんなある日、アンテヴェルディ家は姑息な伯爵家に騙され多額の負債を背負ってしまう。そしてタイミングを見計らったかのように、彼女に婚約話が舞い込んできた。相手は女嫌いで暴力的で更には男色家と噂される、国の第三王子。
嫁ぐ前から幸せなど望めないことが明白な結婚だったが、リリーシュは特に悲観することもなくすんなりその話を受け入れる。
初めて会う第三王子は案の定、リリーシュに至極冷たい。凍てつくような瞳で彼女を蔑み、金に目が眩んだ女だと罵倒した。だが、彼女にはちっとも響かない。別に強がっているわけではないのだ。
なぜなら、リリーシュの幼馴染もかつては冷たく天邪鬼な性格で、王子がその面影に瓜二つだったからだ。
リリーシュは、全てを受け入れる女性だった。いかなる仕打ちも酷い言葉も、彼女には響かないのだ。

誤字脱字のご指摘本当にありがとうございます!初めての異世界物なので矛盾等あると思いますが、応援いただけるととても嬉しいです。

2022年1月2日完結しました!拙い物語でしたが、ここまでお付き合い下さった方々に心より感謝申し上げます!

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー