悪役令嬢は溺愛ルートに入りました!?

著者:十夜

「ひゃああああああああ!」奇声と共に、私は突然思い出した。この世界は、前世でプレイしていた乙女ゲームの世界だって。
前世ではアラサー喪女だったから、「生まれ変わったら、モテモテの人生がいいなぁ」なんて妄想したのを覚えている。だからなのか、今世の私は紫髪に赤瞳のすんごい美女! しかも、侯爵令嬢! おほほほほ、望みが叶ったのかしら? 
……って、そんなわけあるか! ルチアーナ侯爵令嬢っていったら、ヒロインをいじめ倒して断罪される悪役令嬢じゃないか!! ええと、ゲームの設定では……『傲慢で怠け者、唯一のとりえの火魔術ですら中の下なのに、実家の権力を笠に着て威張り倒している悪役令嬢』。うああ、これは断罪されるわ! 
終わった。人生詰んだ……と思ったけど、私16歳? 断罪イベントまであと1年あるじゃないか。よしよし、それまでに人生を仕切り直して、断罪イベントを回避しよう。
よかった、元喪女だから、人生に恋愛がなくても平気。元庶民だから、お金がなくても平気。
ということで、王太子避けます、公爵家嫡男避けます、隣国の王子避けます、イケメンみーんな避けます! ってのに、まって。どうして、みんな寄ってくるの? 私、悪役令嬢ですよ?? 溺愛ルートなんて、ありませんから―――!!

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