救護院で聖女が作成していると言われる回復薬を日々作らさせられていたパック。
聖女様が言っているんだから、頑張らなくちゃ。
誰からも愛され、慈愛の聖女と呼ばれているモリヤの本性は最悪だった。
聖女の替わりに回復薬を作るパックを日々無能だと蔑み、できない理由を作るなと怒られた。
だがある日、聖女からは1日2500本の回復薬を作るように言われ失敗してしまう。
「あなた、私が言ったこともできないなんて、なんて無能なのかしら? 辞めた方がいいわよ。才能ないから」
聖女からの無理難題を叶えて叶えて叶えて……もう……無理だ。
たった一度の失敗を許さず、執拗に責め立てる聖女。
しかも聖女はあなたの替わりはいくらでもいるのと言い、その人を紹介してきた。
替わりはいる……そしてことあるごとに責め続けられた結果、心が折れた。
僕には才能がなかったに違いない。
きっと他の人だったらこんなことにならなかったはずだ。
彼に譲った方がいい。
いつも優しく話を聞いてくれる幼馴染からそれなら一緒に冒険者になろうと誘われる。
「私……守れるくらい強くなれたよ。それはあなたがいたからだよ。あなたの素晴らしさは私が一番わかってる。そんなに辛いなら辞めて一緒に冒険者でもやろうよ。私実はね……あなたのために」
幼馴染はパックの働く救護院で部下1000人をまとめる警備長になっていたが、あっさりパックと冒険者になると退職する。
パックと幼馴染は救護院を辞めて最強の冒険者へと駆けあがっていく。
これは最強の回復術術師の冒険物語!
回復しかできないんじゃない!
回復ができることが最高なんだ!
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