夜の世界をひらりひらりと渡り歩く艶やかな蝶。
高級娼婦と呼ばれる彼女達にも、時として悲劇は訪れる。
「こんな契約聞いてないんだけど!?」
高級娼館でも三本の指に入る売れっ娘、ガーネットの悲痛な叫びが響く。
とある理由により身受けを拒否していた彼女に、唐突に突き付けられた証文。
サインした記憶が全くないそれを盾に、オーナーは告げる。
数日後に身柄は引き渡される、と。
絶望に陥りそうだったガーネットは、しかし、踏みとどまる。
予約が入っていたから、と小銭を惜しんだオーナーの隙を突いて外出した彼女は、ある男の元へとたどり着く。
『最後の騎士』と呼ばれる男。
貴族だろうが平民だろうが分け隔てなく決闘裁判の代理人を引き受けるジャック・ノワール。
彼へとその真情を明かしたガーネットの運命が、動き出していく。
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