「私には愛する女性がいる」
フィッシャー伯爵を引き継いだ私、クラフト・フィッシャーは、結婚式を終えた日の夜、つまりは初夜に、妻であるエルフリーデにそう告げた。
この結婚は政略だ。貴族にとってはよくある当たり前の話。そして結婚と子作りの義務さえ終えてしまえば、互いに恋人を作る事も当たり前の話。
だが、私は既に愛する人がいた。
それゆえに、エルフリーデと真に結ばれることは無い。いずれ離婚するために白い結婚とさせてもらう、と。言うつもりだったが……。
「そうですか、では子供を作りましょう」
「え」


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