「あなたって本当に何もわかっていないのね」
そう言い残して妻が出て行ったのは、梅雨も明けたばかりの頃だった。
どんなに思い返しても、僕には妻が出て行った理由がわからない。
酷暑も過ぎ、外回りの営業に出ていた僕は、秋桜畑の空き地を見つけ、暫し歩を止めた。
その時、僕の名を呼ぶ声がして……。
僕は忘れない ~秋桜のように可憐だった君をずっと……
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