婚約破棄したようですが記憶喪失になりましたのでもう関わらないでください

著者:もも

セリーナとキースは同じ伯爵家で釣り合いが取れるという理由で十歳の時に婚約をした。整った顔立ちのキースは既に女の子からちやほやされる事に慣れてしまっていた。顔合わせでのお互いの印象は大人しい女の子だ、と顔のいい男の子だくらいのものだった。同時期にセリーナの家には遠縁から義弟となる一歳下のアゼイリアが養子となってやって来た。義弟が出来て嬉しいセリーナは寂しがらせない様に精一杯優しく接した。
キースとの交流も順調だったが、貴族学院へ入るとキースのモテ具合に拍車がかかった。婚約者がいるのに平気でアプローチをする令嬢が後を絶たなかったしキースもそれを楽しんでいた。呆れたセリーナは何とかして婚約を破棄したいと思う様になっていた。そんな時キースの方から婚約破棄をしたいと告げてきた。令嬢達に囲まれていたキースに好きな女性が出来たという、奇跡のような出来事にセリーナは喜びキース有責で婚約は破棄された。
穏やかに過ごしていたある日セリーナの乗った馬車が急に飛び出して来た
子供を避けようとして事故を起こし、乗っていたセリーナは頭を強く打って記憶喪失になった。人の顔と名前を忘れたセリーナを義弟のアゼイリアが献身的な看病をする。恋焦がれていたセリーナに婚約者がいなくなった今が想いを告げるときだと思ったアゼイリアはセリーナを口説きにかかる。

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