それでは皆さま、ご機嫌よう

著者:矢野葉

「ディアナ・ランベール伯爵令嬢、今日この時をもって君との婚約を破棄させてもらいます」
ケビン・ゴートヒル伯爵令息の丁寧な、しかし冷たい声色が卒業生を見送るために飾り付けられた大広間に響く。
剣と魔法の時代、王侯貴族と魔法や祈りの才を認められた子どもたちだけが集う王都の学び舎。大人の仲間入りをする一歩手前の子どもたちは自分の立ち位置を見誤ってよくよく背伸びをするものだと、わかっているからこそ大広間にいる大人たちは苦笑いをこぼす。

しかしそれも、呼びかけられた少女が振り返るまでのことだった。

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