『ざまぁの素』を売ってください

著者:ELL

「『ざまぁの素』をわたくしに売ってくださいませ」

目の前の薬師は「はて?」とばかりに首をかしげた。

だけど私には、もうこの
薬師しかすがる相手がいないのだ。

「売ってくださいませ。『ざまぁの素』」
「だから、その『ざまぁの素』とはなんだ?」
「幸せになるためのお薬ですわっ」
「そんな酔狂なもの、誰かに売ったことはないよ」

薬師はため息をつきながら、被っているフードの縁を引っ張って更に深く被り直した。

私の婚約者は、私の異母妹と仲良くやってる様子。このままでは、婚約破棄も時間の問題。
起死回生の一手として、私は『ざまぁの素』を手に入れたいんです!

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