「君を愛することは出来ない」
婚約者となったエリゼオにそう告げられたクラリーチェは、僅かに目を開いてから笑みを深めた。
「構いません。半年後に愛していただけるなら」
――だって、貴方と幸せになるのは私じゃないから。私は、大切な二人がずっと幸せでいてくれることが大事で、その為にこの命をかける。
私は醜い魔女だから、どれだけ祈っても意味はない。だから貴女は花弁がむしられるように死んでしまった。だけど、魔女である私だからこそ出来ることはまだあるの。
これは大切な人の死を覆す為に走り出した少女の半年間のお話。そして、醜い魔女を愛した人たちの三日間のお話。
※恋愛要素は薄めです
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