「君を愛さないなんて言わなければよかった」

「悪いが女性の扱いが苦手でな、興味もあまりない。君を愛することとはないが政略結婚の勤めだけは果たそう」隣国から嫁いだばかりのエーレンガントは、初夜で嫁ぎ先の国王陛下ヴィルヘルムに突然そう告げられる。
 確かにヴィルヘルムは結婚式の時から淡泊で、パーティでも臣下との付き合いばかりに気を取られていた。男色なのかと思いきや単純に女が苦手らしい。

「よかったです。私の胸はしっかり釘付けになっていらっしゃいましたので、一応女の肉体には興味はおありなんだろうなとは思っていましたが」
「見ていない」
「妻なので別に見放題ですよ」
「出すな、しまえ、今は話をしたいのだろう」

 おやおや、冷たかった陛下の顔がどんどん赤く。
 最終的には冷たくしてごめんねを言わされる、陛下陥落の物語です。

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