リディアはカゼッラ伯爵家の長女として生まれるが、両親は妹フローラを溺愛し、リディアには冷たく当たった。虐げられながら成長したリディアだったが、16歳のある日、フローラの身代わりとしてチェザーリ侯爵に嫁ぐことを命じられ、家を追い出される。
不本意な結婚ながらも、実家から解放されたことに安堵し、新たな生活に希望を抱くが、侯爵はフローラではないことに激怒。3年後の離婚を宣言すると、領地を放置したまま王都へ向かい、フローラのそばにい続けた。
不在の侯爵に代わって、領地運営を取り仕切っていたリディアであったが、その甲斐も虚しく、婚姻の期限が迫る頃、フローラを伴って帰還した侯爵は、離婚届を突きつけ、リディアを身一つで追い出してしまう。
虚しさを抱えながらも、ついに自らの意志で生きられるようになったリディアは、幸運にもランベルティ公爵令嬢の家庭教師として働くことになる。令嬢からの信頼を得て、ようやく穏やかで満ち足りた日々を過ごしながら、リディアは新たな才能を開花させるのだった。
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