捨てられた赤子を拾ったのは、女を捨てた騎士でした

「……?」

 ……何かが聞こえた気がした。いや、確かに聞こえる。猫が喧嘩でもしているのだろうか?

 なんとなく気になった私は、雨に濡れたまま鳴き声の元へ向かった。するとーー

「フォレストウルフの群れか。でもあれは狼の鳴き声じゃなかった。猫でも仕留めたのか……いや、あれはッ!?」

 抜剣。直ちに突撃。敵の数は4。豪雨で鼻と耳が利かなくなっているのか、それとも飢えすぎて弱っていたのか。何かを咥える狼の背を両断するまで、他の三匹は反応できていなかった。

「ウゥゥゥゥ!!」

 野生動物らしくすぐに威嚇を始めたが、今から威嚇するようでは負けを認めたようなものだ。私は狼が咥えていたものを胸に抱きながら、残る雑魚に鉄剣を叩き込んだ。

 群れにあって、最初に獲物を食らう権利を持つのはリーダーだ。そのリーダーの背骨が両断された時点で、統率を失ったこいつらの死は確定していた。

 捨て犬のように情けない悲鳴を上げた3匹に介錯をした私は、すぐに獲物の正体を確認した。

 ……間違いない。人間の赤ん坊だ。

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