悪役令嬢ってどういう意味なんだろうと、たまに考える。
物語の中で主人公の足を引っ張る存在?
高飛車で傲慢で、嫌な女?
それとも誰かに嫌われていないと、自分がそこにいる意味を見失う人?
ローズマリー・ド・シャルモン は、そのどれにも完全には当てはまらなかった。
あの子はもうちょっと複雑で、もうちょっと馬鹿だった。
いい意味で。
◆◆◆
王立学園の特待生リナは、ある日突然、同室となった公爵令嬢ローズと出会う。完璧すぎる微笑みと孤高な態度で周囲から疎まれ、「悪役令嬢」と噂されるローズ。リナも初めは距離を取ろうとしたが、気づけば彼女の不器用な優しさに少しずつ心を動かされていく。
そして卒業式の朝、ローズは忽然と姿を消した――彼女の好きなローズマリーの香りだけを残して。
語られなかった彼女の本当の姿と小さな願いは、リナだけが知っていた。


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