その事件は王国中を驚かせた。温厚で知られるユーリ・タバスト伯爵がロアブル・ベルナディット公爵を殴打し、噛みついたのだというのだ。あまりにも貴族らしからぬ暴力沙汰に、平民も貴族も好奇の視線で裁判の傍聴に挑む。
特殊な裁判であるため、賢王として知られるギーディアが裁判官を務めることになった。
「さっさと彼を処罰して欲しい」と叫ぶベルナディットをあしらい、王は尋ねた。
「なぜ彼を殴ったのか」
ユーリは語り始める。
そう、実は二人には共通点があった。出産の際、妻が亡くなったという悲劇が――
伯爵の告白により、公爵の暗黒が暴かれていく。
「愛しているなら、言ってみろ」
※出産、死亡に関する描写が出てきます。ご注意ください。


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