婚約解消の書類は、すでに提出済みです

著者:百鬼清風

王太子アレクシスの態度は露骨な拒絶ではなかったが、
会談の延期と「いずれ話そう」という言葉だけが積み重なっていった。
伯爵令嬢エリシアは、その曖昧さを感情ではなく事実として整理する。

期限の示されない関係は、すでに契約として破綻している。
そう判断した彼女は、対立や直談判を避け、
正式な婚約解消の書類を整え、王宮事務局へ提出した。

後日、王太子は「自分の判断で婚約を解消するつもりだった」と公言するが、
手続きはすでに完了しており、制度上の事実がすべてを覆す。

冷静な判断と行動を評価されたエリシアは、
新たな公的役割と対等な縁を得て、
「待たされる人生」から自ら選ぶ立場へと歩み出す。

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