ローナは唯一自分を愛してくれた母を失ってから、父や彼の浮気相手だった義母、そして義妹のヨハンナから冷遇される日々を過ごしていた。
家の中の誰も彼もがローナをいない存在として扱う。
そんな中、悪徳貴族で有名な侯爵との縁談が決まったと告げられ、ローナは自分の未来は今の生活以上に酷いものとなるだろう事を悟る。
――であるならば、こんな人生は捨ててしまおう。
亡くなった母の後を追おう。
そう考えたローナは真夜中に家を抜け出し、ある馬車の前へ飛び出す。
しかし飛び込み自殺は失敗。
代わりに、自分を咎めるべく馬車の持ち主が姿を現した。
それが――ローナの家とは政敵関係にある、若き公爵、ウォーレス・エイヴォリーとの出会いだった。
彼は言う
「婚約者を決めかねた公爵がいる。一体どのような婚約相手が向いているだろうか」
ローナは言う
「そのお相手、私に頂けませんか」
こうして二人は婚約を前提に手を組み、ローナの家を潰す算段を立て始めたのだった。


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