悪役令嬢は暇だと、誰が決めたのだろう。
侯爵令嬢のリリアーナにとって
王宮での日々は戦場だった。
山積みの書類、派閥争いの調整、王子の尻拭い。
彼女は感情を殺し、ただ淡々と仕事をこなす。
「可愛げがない」「鉄の女」
そんな陰口も、彼女にとっては些細なノイズ。
手帳と万年筆だけが、唯一の味方だった。
だがある日、婚約者の王子から突きつけられたのは
「真実の愛」による一方的な婚約破棄。
普通なら泣き崩れる場面。
しかし彼女は、その場で手帳を開き
違約金の計算と契約解除の手続きを始めてしまう。
そんな異常なまでの冷静さに目をつけたのは
「氷の宰相」と恐れられる男だった。
彼が差し出したのは、破格の好待遇と
逃げ場のない終身雇用の契約書。
書類の山に埋もれた執務室で
不器用な二人が交わす契約は
果たしてビジネスだけの関係で終わるのか。


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