婚約者と男爵令嬢が、ここ一ヶ月の私の悪事を記録した魔導具を見せてきた

著者:間咲正樹

「ローラ、僕は君との婚約を破棄する!」
「「「――!!」」」

 煌びやかな夜会の最中。
 私の婚約者であり、ダウズウェル侯爵家の嫡男でもあるオリヴァー様が、唐突にそう宣言された。
 オリヴァー様の隣には、男爵令嬢のシンシア嬢が、まるで伴侶のように佇んでいる。
 オリヴァー様は私がシンシア嬢に嫌がらせをしていることを理由に、婚約を破棄すると言ってきたのだ。

「……証拠はあるのですか? 私がシンシア嬢に嫌がらせをしていたという証拠は」
「「……!」」

 この瞬間、オリヴァー様とシンシア嬢は、同時にニヤリと勝ち誇ったような顔をした。

「ああ、あるともさ! ここにねッ!」

 そうしてオリヴァー様がドヤ顔で取り出したのは、手のひらサイズの映像記録魔導具。

「これに君の悪事の一部始終が、余すところなく記録されている! 今からここにいるみなさんに証人になってもらって、一緒に確かめようじゃないか!」

 オリヴァー様が映像記録魔導具のスイッチを入れる。
 すると霧のようなものが射出され、その中に映像が浮かび上がってきた――。

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