代々強力な攻撃魔法を受け継ぐ名門伯爵家に生まれた長女・リゼット。しかし彼女が授かったのは、地味で役に立たないと言われる『浄化』のスキルだけだった。
優秀な魔法を持つ義妹と比較され、家族から「無能」「家の恥」と虐げられて生きてきたリゼットは、ある日、義妹の身代わりとして辺境を治める『狂王』ヴォルフガング辺境伯への嫁入り(という名の生贄)を命じられる。
瘴気に満ちた死の土地で、恐ろしい化け物と噂される狂王に殺される覚悟で辺境へ向かったリゼット。しかし、出迎えたのは不器用だが誠実な黒騎士のような青年だった。
実はヴォルフガングが「狂王」と呼ばれていたのは、領地を覆う強大な瘴気を己の身に引き受け、苦しみながらも領民を守っていたから。
彼の優しさに触れたリゼットが無意識に『浄化』のスキルを発動すると、なんと長年辺境を苦しめていた瘴気が一瞬で消え去り、ヴォルフガングの呪いも解けてしまう!
リゼットの『浄化』は、聖女すら凌駕する規格外の力だったのだ。
「君は、私の……いや、この領地の救世主だ」
命を救われたヴォルフガングと辺境の民たちから、リゼットはかつてないほどの溺愛と称賛を受けることに。
一方その頃、リゼットを追放した実家はパニックに陥っていた。実は実家の領地が魔物から守られていたのは、リゼットが日々無意識に『浄化』を行っていたからだった。結界が消え、魔物にあふれて滅亡寸前となった実家は、手のひらを返してリゼットを連れ戻そうとするが……。


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