「ドラゴンの炎を通さない!? オリハルコンの剣を折った!? なんだこれは!」
「ただの子供服ですが?」
階段から落ちて頭を打った瞬間、わたしは自分が乙女ゲームの「悪逆非道な継母」スカーレットに転生していることを思い出した。
原作では、義理の息子である幼児領主・ハロルドを虐待し、将来断罪される最悪の運命。
「やば……わたし、とんでもない女じゃん……」
と青ざめながらも、ボロボロの服で怯えるハロルドと顔を合わせた瞬間――
「やだ……かわよ……!」
わたしの母性が大爆発した。
こんな可愛い推し(義息子)にボロを着せるなんて許せない!
わたしは前世の記憶と規格外の裁縫スキルを駆使し、徹夜で極上の子供服を仕立て上げまくる。
一方、スカーレットの悪政を疑う王家から、密偵の若き宮廷魔導士長がやってきた。
しかし彼が見たのは、見たこともない洒落た服を着て元気に走り回るハロルドの姿。
さらにその夜、誤解から決起した反乱分子が屋敷を急襲!
絶体絶命のピンチ――だったが、わたしの作った服が火花を散らして凶刃を粉砕した。
「どうなってるんだ……!?」と驚愕する公爵に、わたしはドヤ顔で言い放つ。
「魔法糸を使った特製の服よ。着心地も通気性も最高なの」
これは、暗君と勘違いされた悪役令嬢が、規格外の裁縫スキルで推しを最強の防具で包み込み、無自覚に無双していく勘違い溺愛ファンタジー!


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