辺境で戦う婚約者から届く手紙は、驚くほどどうでもいい話ばかりだった。
スープがしょっぱかったこと。支給された靴で靴擦れしたこと。私が何気なく話した保存食の工夫が役に立ったこと。
愛の言葉も、甘い囁きも、ほとんどない。
周囲はそんな手紙を見て、「愛されていない」「もっとましな相手を選ぶべき」と笑う。
けれど私は知っていた。
そのどうでもいい話のひとつひとつが、彼の誠実さであり、今日も生きているという報せであり、明日も帰ろうとしている証なのだと。
そして砦を揺るがす大戦のあと、笑っていた人たちは、その手紙の本当の価値を思い知ることになる。
戦地の婚約者から届く手紙は、毎回どうでもいい話ばかりだった
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