回復役を追い出した勇者パーティーの末路を、私は薬草畑から眺めている

五年間、勇者パーティーの回復役を務めた薬師ナターシャ。
ある日「市販のポーションで十分だ」と追放される。

引き継ぎメモを差し出したが、受け取ってもらえなかった。
ならば仕方ない。祖母が遺してくれた辺境の薬草畑で、新しい暮らしを始めよう。

畑の隣には、寡黙な青年が住んでいる。
毎朝、なぜか反対方向から水やりに来る彼の名は、ルーク。

やがて届くニュース。
元パーティーの攻略速度が激減し、毒に倒れる者が続出しているらしい。

勇者から届いた「戻ってきてくれ」の手紙を、ナターシャは薬草の肥料にした。

ここには太陽がある。土がある。
名前も呼べないほど不器用な隣人が、夜中に水路を掘っている。

もう遅い。
私の居場所は、もうここにしかない。

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