チートの勇者に子供が生まれたが育て方が分からないので、前世が保育士だったから普通の保育で英雄の子供を育てることにした

「大勇者」アレク・ヴァルディア。
チートスキル「聖剣召喚」で魔王を斬り、世界を救い、王国の姫と結婚した。
勇者としての理想的なゴール——のはずが、彼をいま最も苦しめているのは、3歳の息子だった。

ソラ・ヴァルディア。生まれながらの「聖剣召喚」スキル持ち。
——癇癪を起こすと聖剣が出る。食事を嫌がると斬撃が飛ぶ。お風呂が嫌いで浴室を両断した。王宮はすでに半壊。

そこに送り込まれたのは、チートなしの「凡人枠」。
前世は——保育士。勤続20年。0歳児から5歳児まで、のべ500人を見てきたプロ。
最期は、園の前の横断歩道。飛び出した園児を車から庇って——保育士らしい最期だった。

魔法は使えない。剣も持てない。
だが、「子供の育て方」だけは——20年分、身体に叩き込んである。

「スキルの制御? その前に、嫌いな野菜を食べてもらうところからですね」

強い子の前に、優しい子を育てる。
それが、保育の仕事だ。

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