『女神の神託』。それは女神から気に入られた人間が、彼女から未来に関するお告げを受けるというもの。
伯爵令嬢レイラは幼少期にこの神託を受けた。
その内容は不鮮明であったものの、何とか聞き取れた部分から文脈を汲んだレイラはこの神託が『自分が十六で死ぬ』というものであると考えた。
それからというもの、レイラは貴族として長生きする為の術を手に入れるのではなく、十六歳に悔いなく死ぬ為に、残された時間を使おうと生きてきた。
そんな彼女が王立学園へ入学し、十六となった時。
「レイラ! お前との婚約を破棄する!」
婚約者メイナードが浮気相手のペネロピと共にそんな事を言いだした。
そもそも、彼との婚姻の予定日は十八歳。自分が死んだ後の事。
故に婚約破棄しようがしなかろうがレイラにとってはどうでもいい事だというのに、レイラが勝手にしろとその場を去ろうとしても、メイナードは何故かそれを引き留めてネチネチと文句を言いだす。
もう十六歳。いつ死ぬかもわからない。
そんな状況の中、非常に無意味な時間を強要されたレイラはついに――
――大勢の前でブチギレるのだった。


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