もしもお兄様が生きておられたら

 兄アーノルドは生後三カ月で突然死した。シャローナが生まれる二年前のことだ。母エミリーナは第二子が女児であったことに失望した。跡継ぎの男児を産めなかった負い目から、シャローナはいつも辛く当たられる「あの子が生きていれば」が口癖だった。一人娘のシャローナは伯爵家の後継ぎとして厳しい教育を受けた。
 伯爵家は正妻の娘であるシャローナが継ぐものと信じて疑わなかったエミリーナに、夫のウォーレンは愛人との間に生まれた息子を養子に迎えると言った。婿養子に爵位を継がせるくらいなら、血の繋がった息子に継がせると言いだした。エミリーナは発狂するような勢いで怒り狂う。

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー