「夫を返して!」
悲痛な面持ちで訴える夫人たちを見下し、第五王女は不敵な笑みを浮かべる。
「返してほしくば、私の寝室まで奪いに来い」
夫人たちの殺意の籠もった目を気にもとめず、王女は艶然(えんぜん)と笑い、くるりと踵を返す。
第五王女マルグリットの護衛騎士が、結婚式を挙げたのは、つい三日前。
三組同時の式だった。
あろうことか王女は、新婚の護衛騎士をそのまま寝所に連れ帰り、夫人の元に返さないのだ。
新妻の夫への思いは、堅牢な塀を越え、鉄壁な警備を破り、ついに王女の喉元に刃を突きつける。
しかし――それこそが王女の狙いだったのだ。
「第五王女に刃を向けたのだ。命を奪われても文句は言えまい」
新妻を嘲笑うマルグリットとの真の目的とは?
※手違いで削除したものを、ラスト部分を改稿して再投稿しました。
それに伴いタイトルを変更しています。
旧タイトル:「悪名高い第五王女は、新婚の護衛騎士を離宮に閉じ込め妻の元に帰さない」
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