公爵令嬢クラリッサとその婚約者で王太子のルーカスの日課は毎日トランプを用いたカードゲームをする事。
二人でゲームをする時間をクラリッサは心から楽しんでいる。
しかし幼い頃から始まったこの日課だが……何故か、クラリッサの勝率は100%。
頭脳明晰、文武両道と謳われるはずのルーカスは一度たりともゲームでクラリッサに勝った事がなかった。
ある日の事。
カードゲームを一戦終え、ルーカスが離席したところを狙って、他の令嬢たちがクラリッサを嘲笑う。
「可哀想」
「殿下ったら、あんな風に婚約者の機嫌まで取らないといけないなんて」
「あんなゲームの何が面白いというのかしら」
そんな心無い言葉を浴びせる令嬢たちだったが、そこへ――
「なるほど? では君達は彼女以上に僕を楽しませられるという訳だ?」
冷たい笑みを湛えたルーカスが姿を見せるのだった。
彼女達は知らなかったのだ。
ルーカスがどれだけ、クラリッサとのゲームを――楽しんでいたのかという事を。


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