公爵令嬢エルシェナは、婚約者カイルと妹リネットから突然こう告げられた。
「お姉様の代わりは、わたくしが務めます」
どうやら妹は婚約者だけでなく、社交界での役目まで簡単に奪えると思っているらしい。
だからエルシェナは、婚約も、夜会の席次も、寄付先の調整も、貴婦人たちへの根回しも、全部まとめて譲ることにした。
けれど妹が欲しかったのは“愛される婚約者の座”だけ。
王都の社交と外交を回していた実務までは、代わりになれなかった。
「代わりが務まるとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
静かに身を引いた姉が、二度と代役に戻らない異世界恋愛短編です。


レビュー