しょうもない断罪だった。
恋でも陰謀でもなく、罪状も曖昧、被害も曖昧、それでも王宮の空気だけが「誰かを裁いた気分」になりたがっている。
そんな場で、ガヤから冷めた声でツッコんだ伯爵令息がいた。
口が悪く、皮肉屋で、若いのに疲れた中年みたいな顔をした男。
正義を叫ぶでもなく、誰かを救ったつもりもなく、ただ「それ、今決める話じゃないですよね」と空気に線を引いただけだった。
だが、その一言を回廊の影から見ていた九歳の王女だけは知っていた。
この人は、王の隣に置くべき人間だと。
これは、しょうもない断罪にツッコんだせいで、気づけば最後には王配にまでされる伯爵令息と、最初から全部決めていた王女の話です。


レビュー