夫の出世のために十年間笑顔で社交界を回した妻の、最後の夜会

十年間、夫の演説原稿を書き、千人規模の夜会を差配し、各国大使の好みまで覚えてきた侯爵夫人エレオノーラ。その宰相補佐就任の夜会で、夫は隣に若い愛人を立たせ、「真の伴侶を見つけた」と告げた。

私は微笑んで、十年分の『負債帳』を夫の腕に預けた。
「どうぞ、ご存分に」。
翌朝、新しい侯爵夫人のお披露目訪問に、誰一人として現れなかった。

廊下の向こうには、七年前から私を覚えていた、隣国の冷徹大使が立っていた。

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