「またあの子を優先するのですか?」と言うのをやめた日

著者:百鬼清風

伯爵令嬢アニエスは、婚約者リュシアンとの約束を何度も破られてきた。
理由はいつも同じ。幼馴染のセリーヌが体調を崩したから。

観劇も、庭園会も、夜会も、彼は彼女を選んだ。
それでもアニエスは待った。けれど最後の夜会で、ついに彼の席を下げてもらう。

数日後、当然のように次の約束を取りつけようとするリュシアンに、アニエスは告げる。

「空けていただく時間は、もう残っていませんけど」

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