扇子言語で〝地獄に堕ちろや〟がうまくできなかったお嬢様のために、それ専用の扇子を作ることにした

この世界には扇子言語という、扇子の開き方、角度、添える指などで本音を伝える文化がある。扇子言語で伝える本音はすべてが許される、人に優しい言語である。

   ◆

「カルロ兄様、私うまくできませんでした……」
伯爵令嬢マドレーヌは、乳兄弟であるカルロの扇子工房に着くとポロポロと涙をこぼした。
気弱なマドレーヌはクズの婚約者に婚約破棄されても、〝地獄に堕ちろや〟と扇子を折って下に捨てる扇子言語ができなかった。
そんなお嬢様のために、扇子職人カルロは――。

時系列的に、扇子言語シリーズの中で一番古い時代の物語です。
あの扇子はこうしてできた!

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