婚約破棄現場の裏方令嬢、ただ利用されるだけだと思っていたのに。

貧乏貴族令嬢のアヴリルは、悪女として冤罪を掛けられているロッティから協力を求められる。
彼女は婚約者とその浮気相手によって悪評を広められていたが、そんな自分の立場すら利用しようと考えた。

そこでロッティはアヴリルに、アヴリルの幼馴染で優秀な侯爵令息ヴァージルとの関係を取り持ってくれれば多額の金を与えると交渉。

家に一切の余裕を持たないアヴリルは、ヴァージルへの初恋を隠しながらその提案を呑んだ。

そして訪れる婚約破棄の現場。
ロッティへ悪意を向けた者達は断罪され、彼女はヴァージルへ言い寄った。
しかし――

「さて、全て君が望んだとおりにしてやったんだ、ロッティ。もう満足だろう」

そう言ったヴァージルはさっさとロッティに背を向け、アヴリルの手を掴む。

「帰るぞ」

そう言ってさっさと歩き出す彼の瞳には、アヴリルの姿しか映っていなかったのだった。

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