魔法使いでもシゴデキ令嬢でもない、とあるメイドがいなくなったあと

著者:こじまき

「雑用係の代わりなど、魔道具にもできる」と言われて解雇されたメイドのアン。彼女は自他ともに認める「特別な魔力も商才も持たないごく普通のメイド」だったため、大人しく解雇を受け入れた。
しかし、彼女が去った後の伯爵家は、少しずつひずみ始める。お茶は苦くなり、主人の考え事は滞り、商談はキャンセルされ…
「なぜだ!何がおかしい!」
憤る主人は知らない。いなくなったメイドが茶葉の開き具合を気候に合わせて見極め、建付けの悪くなってきたドアに毎日油をさし、主人の好む硬さの鉛筆を選りすぐっていたことを。
当たり前だった日常は、普通だが唯一無二だった歯車を失って、崩壊していく。

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