勇者パーティの回復役として、己をすり減らして戦ってきた聖女セシリア。
しかし魔王討伐の直後、勇者ナハトに背後から刺され、手柄を奪われた挙げ句に殺されてしまう。
「もう、誰かのための便利な道具になるのはごめんだ」
そう思いながら命を落とした彼女が目を覚ますと、そこは300年後の『元・魔王城』の廃墟だった。
さらには、かつての仲間の嘘により、セシリアは「国を滅ぼそうとした希代の大悪女」として歴史に名を刻まれているという。
(ちなみに、私を裏切った勇者の国は、聖女を失ったせいで作物が育たなくなり、今ではスラム街のように没落したらしい。もう私には関係のない話だけれど)
人間に居場所はないと悟ったセシリアは、誰も寄り付かない魔王城の廃墟で暮らすことを決意する。
かつて「戦闘では役に立たないゴミ」と嘲笑された【浄化】魔法や、光と闇を反転させた規格外の【極大回復(ハイ・ヒール)】を駆使し、ボロボロの城を一瞬でピカピカの快適空間へと作り変えていく!
迫害されていた魔族の子供たちを保護して、絶品料理で胃袋を掴んだり。
瀕死だった黒狼(実は魔王の末裔で、のちに過保護なイケメン支配人になる)を拾ってモフモフしたり。
「私にも帰る場所はないわ。ここを、私たちの新しい居場所にしましょう」
悪女の汚名なんて気にしない。
これは、道具として使い捨てられた聖女が人間界を見限り、『魔族たちのためのホテル』を開業して、愉快な仲間たちと最高の居場所を作っていくスローライフ・ファンタジー!


レビュー