元夫の後悔に興味はありません

七年間、夫は一度も部屋を訪れなかった。
それなのに世間は私を石女と呼ぶ。
義母は持参金を横領し、夫は愛人と笑う。

侯爵夫人という名の檻の中で、私は静かに準備していた。

前の人生で法律を学んだ記憶がある。
帳簿の不正は見ればわかる。
七年かけて、証拠を一枚ずつ積み上げた。

ある日、離縁状が届いた。
私は泣かなかった。
微笑んだ。

石女の烙印を覆す純潔証明。
横領を暴く帳簿の原本。
すべてを貴族院に持ち込む覚悟がある。

けれど裁判よりも怖いものがある。

七年間、誰にも触れられなかった手がある。
隣に立つ男は寡黙で不器用だ。
外套を泥に敷き、蜂蜜湯を届け、何も言わない。

その沈黙の意味に、まだ気づけずにいる。

元夫が何を悔いようと関係ない。
私はもう振り返らない。
選びたいのは、自分で掴む新しい食卓だ。

ただ、その席に誰を招くのか。
答えはまだ、出せていない。

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