今更、愛などと言われましても、あきれた笑いが出るだけです。

シャーリーの婚約者バーナードの家系は魔法具商会を営んでいる。

婚前だが、シャーリーは商会の仕事を手伝って魔法具を制作していた。

しかし、報酬は一切無い。そのことを話に出すと、バーナードは目をつり上げて「今が大事な時」「婚約者は家族同然」「無償で助けて当たり前」と言う。

そう言いながらも無償で使える「婚約者という名の道具」だと思っていることは明らかだった。

シャーリーは情を盾にいいように利用されているだけ、彼らに取ってただの道具なら、こちらも情など捨てると決めた。

ただの魔法具の作り手として、よりよく使ってくれる相手を選び取る。

そして、大きな注文が重なる時期に合わせて、実家を飛び出した。

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