政略の駒として隣国へ嫁いだ第七王女イリーナは、婚約者テオドール王子に初日から罵倒された。言語を学び、所作を磨き、ただ認められようと努力し続けたイリーナ。しかしテオドールの冷遇には、彼女には知る由もない理由があった。
数年の歳月が、イリーナの心を静かに殺した。
王弟派閥が失脚した日、テオドールは全てを打ち明け謝罪する。しかしイリーナはただ微笑んで言った。
「左様でしたか。それは大変なご苦労でございましたね」
取り返しのつかないことをしたと、テオドールが知ったのはその時だった。
イリーナはもういない
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