アレクシアは、婚約者クリストフに贈った刺繍入りのハンカチを「しけた贈り物」と言って叩きつけられた。
魔法刺繍を得意とするアレクシアにとって、それは長い時間をかけて仕立てた大切な作品だった。
だがクリストフは、地方貴族であるアレクシアとの婚約など、王都でより美しく高貴な令嬢を手に入れるための踏み台に過ぎないと言い放つ。
「地味で価値のない女は、俺を引き立てていればいい」
そう告げられたアレクシアは、彼の望み通り“控えめでつまらない婚約者”を演じることにした。
地味なドレスで付き従うような態度を取ればクリストフは満足した。
しかし――それを見た貴族達は騒然とする。普段と違い過ぎるアレクシアに一体何があったのか、と。


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