「アンタなんか死ねばいい!」と叫んで頭を打ったら完全に目が覚めたので、王子のストーカーはやめて自由に生きます~気付けば周囲のイケメンたちが私を放っておいてくれません~

「アンタなんか死ねばいい!」
婚約者であるマーチャーシュ王子と、彼に保護を求めるようにすがりつく庇われ令嬢・リラの浮気現場。怒りに任せて叫んだ名門貴族の令嬢コヴァーチ・ハイナは、すっ転んで頭を強打した瞬間に完全に目が覚めた。

「――あれ? 私、なんであんな男に執着してたんだっけ?」

前世の記憶を取り戻したハイナの頭の中を占めたのは、失恋の悲しみではなく、この異世界への強烈な不満だった。
お湯の温度調節すらまともにできないシャワー、網にくっついてボロボロになる不味い魚料理、そして何より、個人の意志よりも「家名」が絶対視される息苦しい社会。
すべてが馬鹿馬鹿しくなった彼女は、あっさりと婚約破棄を受け入れ、「コヴァーチ」という家名も捨てて「ただのハイナ」として自由に生きることを決意する。

目指すは、前世の知識を活かした究極の快適ライフ(QOL向上)。
手始めに、複雑な構造のシャワーバルブを自力で分解・修理して完璧な温度調節を実現。さらに、焦げ付きやすい魚を、ふっくらと焼き上げる独自の調理器具(テフロン加工のフライパン)を確立するなど、我が道を行くおひとり様スローライフを満喫し始める。

ところが、王子の影すら追わなくなった彼女のもとへ、なぜかワケありのハイスペック男子たちが集まり始めてしまう。

一方、見事王子を奪い取って優越感に浸っていたはずのライバル令嬢リラは絶望していた。ハイナの便利グッズや美味しい料理を失ったことで王子の生活の質はガタ落ちし、彼自身が実務能力ゼロのポンコツだと判明したからだ。マーチャーシュ王子もまた、周囲の優秀な男たちから溺愛されて輝くハイナの姿を見て己の愚かさに気づき激しく後悔するが――もう遅い!

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