伯爵令嬢セシリアは、王立学院特別研究科に合格した。
しかし父と継母は、その推薦状を妹に譲れと言う。
「名前を書き換えるだけでしょう」と。
けれど王立学院の推薦状は、家族内で譲れる招待券ではない。
本人、推薦者、保護者、王宮教育監査官の署名がそろって初めて効力を持つ正式書類だった。
父が保護者署名を拒んだため、セシリアは署名欄を白紙のまま提出する。
未署名理由書を添えて。
その書類をきっかけに王宮教育監査官の調査が入り、妹名義で提出されていた過去の研究物まで、セシリアのものだったと発覚していく。
奪われそうになった名前と未来を、正式な記録で取り戻すお話。


レビュー