「ヴァルター様、昼食を作ってきました。一緒に食べましょう!」
「ヴァルター様、ここは必ず試験にでますわ! 私の対策ノートをどうぞ!」
大好きな婚約者のヴァルターに尽くすルイゼ。
どんなに冷たくされても、彼の小さな優しさだけで幸せだった。だが、彼の幼馴染の登場で、その幸せは脆くも崩れ去ってしまう。ルイゼには、一度も見せたことのない表情を幼馴染に向けるヴァルター。そんな彼を見てルイゼは全てを悟る。
「彼にとって、私はただの婚約者。本当に大切なのは、幼馴染の彼女だったんだ……」
自分の恋が一方通行だったと痛感したルイゼは、彼を自由にするため、卒業と同時に全てを捨てて逃亡する。
遠い辺境の街で、司書として新たな人生を歩み始めたルイゼ。仕事は楽しく、人間関係も良好。過去を忘れて充実した毎日を送っていた……はずだった。
そんなある日、彼女の前に現れたのは、いるはずのない元婚約者・ヴァルター。「ずいぶんと探した」――彼の口から告げられたのは、予想だにしない言葉で……。


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