王都灯火局で夜灯管理官を務める伯爵令嬢エレノアは、婚約者と妹から「夕方に灯をつけるだけの地味な仕事」と笑われていた。
婚約者は華やかな妹を選び、父はエレノアに灯火局の仕事も妹へ譲るよう命じる。
けれど王都の夜灯は、ただ街を照らす飾りではない。
犯罪を防ぎ、夜警を導き、救護馬車の道を示し、非常時には王宮への避難路を照らす重要な都市機能だった。
エレノアは静かに灯火台帳を閉じる。
「では、私が管理していた王都夜灯の点火順路は、本日をもって返上いたします」
その夜、王都の貴族街から灯が消えた。
「夕方に灯をつけるだけの女」と婚約者に笑われました。では、王都の夜灯台帳から私の名を消します
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