善人ぶる婚約者が、いつも私だけを悪者に仕立て上げるので、もう我慢するのをやめました【連載版】

著者:水炎

「大丈夫、大丈夫。誰にだって失敗はあるよ」

私の婚約者、エドガー・ナルシアンはいつもそう言う。

使用人が粗相をしても、大丈夫。
誰かが迷惑をかけても、大丈夫。
私が困っていても、大丈夫。

けれど彼がそう言うたびに、なぜか悪者にされるのは私だった。

使用人を注意すれば、私は厳しすぎる令嬢。
彼が誰かを庇えば、私は心の狭い婚約者。
彼が勝手に優しく振る舞うたび、その後始末をするのはいつも私。

そして私は気づいた。
彼の優しさを引き立てるための悪役を、私はずっと演じさせられていたのだと。

だから私は――もう、我慢するのをやめることにした。

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