妹が聖女を名乗り始めたので止めたのですが、誰も信じてくれませんでした。

著者:彩乃あゆ

幼い頃から、セドリック・レインズは妹クロエの嘘を見抜いていた。

花瓶を割った罪を侍女になすりつけた日から始まり、使用人への濡れ衣、友人への嫌がらせ――そのたびに真実を語ったが、可憐で愛らしい妹を信じる者ばかりで、誰一人としてセドリックの言葉に耳を傾けなかった。

やがて成長したクロエは、神殿で起きた奇跡をきっかけに「未来の聖女」と呼ばれるようになる。

だが、長年妹を見てきたセドリックには分かっていた。

彼女は本当に聖女なのか――と。

周囲が熱狂し、神殿や王太子までもがクロエを支持する中、セドリックは一人で真実を追い始める。そして出会ったのは、本来聖女候補として期待されながらも、偽りの噂によって追い詰められていた侯爵令嬢ヴィヴィアンだった。

誰も信じてくれなかった兄と、誰にも真実を見てもらえなかった令嬢。

二人が辿り着いた先にあったのは、王国を揺るがす大きな嘘と、本物の奇跡だった――。

これは、たった一人だけ妹の嘘を見抜いていた兄が、真実を証明し、真なる聖女と共に未来を切り開く物語。

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