「リード様、本日のデザートはいかがですか?南国より取り寄せた貴重な物だそうです――匂いは異様にくさいのですけど、代わりに味がとても美味しいと。巷では『ドリアン』なんて呼ばれているそうですわ」
「……」
目の前の夫は、私の発言が聞こえてないかのように、黙ったまま食事を続ける。使用人を除いては、この部屋には私とリード以外誰もいないのに。毎度の事ながら嫌な沈黙だ。
昔は無視されるなんて事はなかった。でも長い間子供を身ごもらない私に、いつしか彼は見切りをつけ始めた。本当なら離婚したいのかも知れないが、彼は我が公爵家に婿入りしている身。勝手に他の妻を持つことも許されない彼の選択は、ただ黙る事だった。リードの中で私はいないものとして扱われている……


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