夜会の場で、姉リリアーナが婚約破棄された。
婚約者の侯爵令息エドガーは、周囲から穏やかで思慮深い青年だと思われていた。けれど妹のミレイユは知っている。姉の好きだった菫色が消え、笑顔が少しずつ薄くなっていったことを。
だからミレイユは、姉が婚約破棄された瞬間、心の中で小躍りしていた。
お姉様、助かった。
しかしエドガーは、姉を捨てたその場で、今度はミレイユを次の婚約者に指名しようとする。
「ミレイユ、君――」
「お断りします」
親鳥が餌を運んできた雛鳥でも、ここまで早く口は開けない。
姉を苦しめていた男からの求婚を、妹が当然のように断る婚約破棄ざまぁ短編です。


レビュー