「お嬢様が王国裁判にかけられたですって!?」
公爵家に届いた一通の召喚状。
そこに記されていたのは、公爵令嬢エレノア・アルヴァインが王国の秩序を乱した疑い、そして侍女マリベルの暴走に対する監督責任を問われ、王国裁判所へ出廷せよという内容だった。
騎士団を正座させ、王城を正座させ、大神殿まで正座させてきた侍女マリベルは当然のように怒り狂う。
「ぶっ殺してやりますわああああああああああああああああ!!!!」
だが今回ばかりは、いつものようにはいかない。
ここは王国裁判所。
暴れれば、エレノアが不利になる。
エレノアは言う。
「今回は私が自分の口で話します。だから、隣にいて」
主の言葉に、マリベルは鉄扇を握りしめたまま、初めて暴れない戦いへ挑むことになる。
裁判ではエレノアの周囲で起きた騒動――騎士団、王城、大神殿での事件が次々と取り上げられる。
それは本当に公爵家による私的制裁だったのか。
それとも、エレノアを傷つけた者たちが自ら招いた結果だったのか。
証言台に立つ騎士団長、王太子の側近、そして聖女。
真実が明らかになっていく中、反公爵派による偽証と買収の疑いが浮かび上がり――?
これは、お嬢様のためなら今すぐ裁判所も正座させたい侍女が、必死に鉄扇を握りしめながら耐える忠誠心限界突破の法廷コメディ。
武器は忠誠心。
防具はエプロン。
必殺技は、完璧な礼儀作法。
ただし今回は暴力禁止。
侍女マリベル、最大の試練である。


レビュー